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2010年7月13日 (火)

『ゆれる』DVD

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西川美和監督(1974年生)の作品。
す、すごい。
切実過ぎて胸の真ん中が痛かった。
田舎のしがらみの中でつまらない人生を送っている兄と
東京でカメラマンをして派手な生活をしている弟。
この設定もなんだかステレオタイプだなあと思っていたけど、
そんなものはぶっ飛んだ。

映画が終盤に近付くに連れて、
「うわ!こっちか!」と愕然。
「病んでいたのは自分だったのか!」
そうだ、自分の方だ。
そうなんだよ、自分の方なんだよ。

身につまされるのに、完璧なサスペンス。
私はきっと、この弟から生まれた子供?
そのくらいデタッチメントだけど。
個人的には、お兄ちゃんはバスに乗って欲しい。
7年の刑を終えてやっと自由になるのだ。
刑務所の入り口で、既に兄が出て行ったことを知った弟が
「もういいんだ」って言うのは、そういう意味なんじゃないかな。
このひと言で、ああ二人とも本当に自由になったんだ、と思ったけど。
まあでも、心が自由になったんだから、家に帰っても自由は消えない。
だから、結局どっちでもいいんだとも思う。
バスに乗っても乗らなくても。
どっちにしろ、細い糸はまだあったのだ。
それに尽きる。
香川照之とオダギリジョーの演技はすごい。

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