« 2013年7月 | トップページ | 2013年11月 »

2013年10月11日 (金)

モノの価値

モノの価値というのは結局、固有のストーリーなのかもしれない。

たとえば全く同じ白いハンカチでも、
それが良く吟味され、労を惜しまず縫い上げられたものならば、
大量生産品よりも価値が上がる。
あるいは、たとえ大量生産品でも、
最愛の人からのプレゼントだったとしたら、途端に宝物になる。
いわゆる「金目のもの」だってそうだと思う。
いつ買ったのかも忘れてしまったダイヤの指輪と、
亡くなった伴侶から記念日にもらったダイヤの指輪だったら、後者の方が大切だ。
いくらプラチナのネックレスでも、別れた彼氏からのプレゼントは捨ててしまう。
たかがモノ、されどモノ。
そんなことをぶつぶつと考えて・・・
今年の誕生日には黄楊の櫛を買ってもらった。
上野にある『十三や』という老舗で、職人さんが作ってくれたものだ。
仕上がるまでに3ヶ月かかってしまったけど、きっと一生使うと思う。
元文元年(1736年)から続いているのだそうで。
ところで本当は、私のリクエストなどではなく、
夫自らプレゼントしてくれたらカッコいいのだけど。
でも、もし夫がそんな粋な男だったら、モテちゃって困るかな・・・
20131011093341

| | コメント (0)

2013年10月 3日 (木)

ムーミン谷のひみつ

ムーミンシリーズから特徴的なエピソードを選び出し、

キャラクターごとに解説してある本書。
日本で人気のある「スナフキン」を始めとし、
「ムーミンパパ」「ムーミンママ」「ミー」
「スノークの女の子」「ヘムル」「ニョロニョロ」など
おなじみのキャラクターの本質に迫る言及は哲学的。
中でも、嫌われ者の「モラン」についての話を読んで、
ひどく切なくなった・・・
彼女は不毛で心を凍らせる孤独の象徴。
めったなことで人を嫌ったり、敬遠したりしないムーミンたちでさえ、
モランが現れると一目散に逃げ出す。
それもそのはず、彼女が歩くだけで地に咲く花々が片っ端から枯れてしまうのだ。
冬の寒い日に、ムーミンたちがかがり火をたいていると、モランがやって来る。
「モランが火を消しに来たんだ」と言って、みんな逃げ出す。
案の定、モランはかがり火の上にどっしりと座り込み、火を消してしまう。
なんて恐ろしい女の子なんだろう、とムーミンたちが怖がっていると、
懐の深いトウティッキが秘密を明かす。
「モランは火を消しにきたんじゃない。暖まりに来たんだ。
だけど、あの人がその上に座り込むと、どんな暖かいものでも消えてしまう。
ほら、またしょげかえってる」
20131003_104824

| | コメント (0)

2013年10月 2日 (水)

身体の言い分

仕事がひと段落すると、必ず胃腸を壊す。

頭痛と吐き気が続くこともある。
仕事中は気を張って、テンションを上げているので気が付かないけれども、
終わると一気に緩むのだ。
こういうのは、「強い意志」なんかでどうこうできるものでもなく、
「優れた先端科学」で解決できることでもない。
ゆっくりと治っていくのを、薄のろ風情でただぼんやりと待つだけである。
けれども、こういう時間はバカにできない、と思う。
自分という人間は、自分が想像しているよりもずっと
繊細なのだと気が付くからだ。
身体が「はいもう限界、休憩で〜す」と言ってくれるわけである。
私は、それに従うしかないのだ。
思うに・・・
「体育会上がりのいつも明るく元気な営業マンが、ある日突然亡くなる」
というようなことが意外にも多いのは、
頭が、あるいは会社が身体の言い分に耳を傾けなかった結果ではないだろうか。
身体を無視すると、大変なことになるのだ。
私の世代は「みんなやってるんだから、しんどくても我慢しろ」
というような教育を受けたが、それは無茶というもの。
人間には生まれつき身体の個性があり、それに従うのが得策だ。
快活で勝ち気に見えても、壊れやすい人もいれば、
おとなしく弱々しく見えても、したたかな人もいる。
そういうことをきちんと理解している
「色眼鏡」で物事を見ない大人になりたい。

| | コメント (0)

« 2013年7月 | トップページ | 2013年11月 »