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2013年10月 3日 (木)

ムーミン谷のひみつ

ムーミンシリーズから特徴的なエピソードを選び出し、

キャラクターごとに解説してある本書。
日本で人気のある「スナフキン」を始めとし、
「ムーミンパパ」「ムーミンママ」「ミー」
「スノークの女の子」「ヘムル」「ニョロニョロ」など
おなじみのキャラクターの本質に迫る言及は哲学的。
中でも、嫌われ者の「モラン」についての話を読んで、
ひどく切なくなった・・・
彼女は不毛で心を凍らせる孤独の象徴。
めったなことで人を嫌ったり、敬遠したりしないムーミンたちでさえ、
モランが現れると一目散に逃げ出す。
それもそのはず、彼女が歩くだけで地に咲く花々が片っ端から枯れてしまうのだ。
冬の寒い日に、ムーミンたちがかがり火をたいていると、モランがやって来る。
「モランが火を消しに来たんだ」と言って、みんな逃げ出す。
案の定、モランはかがり火の上にどっしりと座り込み、火を消してしまう。
なんて恐ろしい女の子なんだろう、とムーミンたちが怖がっていると、
懐の深いトウティッキが秘密を明かす。
「モランは火を消しにきたんじゃない。暖まりに来たんだ。
だけど、あの人がその上に座り込むと、どんな暖かいものでも消えてしまう。
ほら、またしょげかえってる」
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